ボールペンの替芯や互換芯に関して必ず受ける質問として、「スラスラと書ける低粘度インクのジェットストリームをオシャレに使えない?」があります。(ジェットストリームの人気はすごいですね。私の両親もジェットストリーム派です)
そして結論から言うと、「その気になれば、ほぼ全てのボールペン軸で使えます」が回答となります。おまけにジェットストリームは私のように筆記具を浅い角度で持つクセのある万年筆派にも、しっかりと対応してくれる「頼もしい替芯」です。
ところでどうして「ほぼ全てのボールペンで利用可能」という嬉しい話になるかというと、ジェットストリームでは4c芯という多色ボールペン用の金属芯が存在するからです。それを市販の替芯アダプター(別名リフィルアダプター)に装着すれば、モンブラン、カランダッシュ、パーカー、LAMYなどの高級ボールペンでもジェットストリームを使えるのです。
その中で唯一の例外と言って良いのが、クロスです。クロスはペン先の金属が細いため、口金部分の穴をヤスリで拡張しないと4c芯を装着できません。(当然、こんな改造作業をするとメーカー保証を受けれなくなります。(詳細はクロスの替芯情報ご参照))
またジェットストリーム替芯が使えると言っても、4c芯に満足できない人も多いでしょう。私も2019年4月時点でインクフローが今一つ安定していない印象の4c芯は気に入っていません。そして最近ではパーカー互換芯タイプも登場しています。
そこで今回はジェットストリーム特集として、各種のジェットストリーム替芯を快適に利用できる高級ボールペンを全力で紹介させて頂くことにします。
パーカー(G2)互換芯
2018年に入ってから、三菱鉛筆ではパーカー芯(G2芯)タイプのジェットストリーム替芯を販売開始しています。ブラック(黒)一色だけですが、0.38mm、0.5mm、0.7mmを利用できます。
したがってパーカーだけでなく、アウロラ、カルティエ、ダンヒル、ファーバーカステルといったボールペンを利用できます。ここでは私がジェットストリームを使っていて快適と感じたボールペン軸を幾つか紹介させて頂きます。
(このサイトは替芯/互換芯サイトなので簡単に)
第1位:アウロラのオプティマ
文具ライターの小日向京さんもモンブランのマイスターシュテュックと並んでオススメしているのが、アウロラオプティマのブラックパールです。マイスターシュテュックと良く似た形状で、重量も24gなので殆ど同一です。
ただしイタリア製だからという訳ではないでしょうけど、あちこちに “遊び” があります。本体軸とキャップの間に隙間があるので、セロテープやマニキュア等を貼ると”遊び” は無くなります。
それから替芯とペン先の口金部分にも “遊び “が存在します。これについても、ジェットストリーム替芯側にセロテープの切れ端を巻いたりマニキュアを塗ると、カタカタと音を立てることが無くなります。
なお私の場合は東京ベイコート倶楽部というところが記念配布したソリッドシルバー(92.5%の銀製)が気に入っています。こちらは同一形状だけれども28gなので、その4gで使い勝手に差が生じているようです。
ちなみにアウロラのオプティマはいろいろな色のボディが販売されているので、私のように何色も使う者には都合が良いです。また100年前から販売されており、1994年には創業75周年記念特別モデルも販売されています。
第2位:ダンヒルのサイドカー
残念ながらこのボールペンは、現在では販売終了してしまっています。映画「真夏の方程式」で、福山雅治の演じるガリレオ湯川学准教授が冒頭部分で使っています。見た目はアウロラのように派手ではありませんが、立派に高級ボールペンと言えます。
替芯収納時の長さが138mmで、重さは32gです。太めのボディのおかげなのか、はたまた重心が後ろ寄りにあることが原因なのか、あまり重いとは感じられません。
最初はミーハー心で入手したのですが、妙に安定感があって使いやすいです。特にジェットストリームは万年筆や水性ボールペンよりも軽い書き心地のせいなのか、このサイドカーだと使いやすいです。
そういえばTVドラマのガリレオはAmazon Primeでは視聴できず、FOD(フジテレビ・オン・デマンド)オンリーとなっています。ついでに紹介しておきます。
第3位:カルティエのロードスター
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替芯収納時で141mm、重さは46gという巨大でヘビー級のボールペンです。カルティエらしく、ボールペン後端の青い石はサファイヤです。
「こんなボールペンを誰が使うのだろうか?」という好奇心に負けて購入してしまいました。で、実際に使ってみたらば、大変快適なのに驚いています。
これもダンヒルのサイドカーのように、重心が後ろ寄りに置かれています。それで46gなので、ボールペンを80度-90度くらいに立てないと書きにくいです。
しかし私のように万年筆派には、このように強制的にボールペンを傾けるタイプが似合っているようです。それから46gのおかげで、ペン先をコントールしやすいです。別にジェットストームだけに限らず、殆ど全てのインクで快適に書くことが出来ます。
お値段的にはカルティエのトップ・ブランドの割には、お手頃だと言えるかもしれません。それでも間違いなく、価格だけからも高級ボールペンだと言えます。(我ながら、感覚が麻痺していますね)
第4位:カルティエのディアボロ
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カルティエはロードスターだけでなく、こちらのディアボロも使いやすいです。実際、私だけでなくて職場のマダムの愛用品だったりします。(被ると嫌われてしまいそうで、職場では使えません)
重さが29gと程良くて、このボールペンも重心は後ろ寄りです。それでも29gという重さのおかげなのか、ペンコントールがしやすいです。今日時点では面白いので、シグノ水性インクを装着しています。
第5位:ファーバーカステル・イントゥイション
ファーバーカステル伯爵コレクションは細軸で有名ですが、これも伯爵コレクションの一つです。10年くらい前に商品化された、実用性を重視したボールペンです。
替芯収納時の長さは132mmと、クロスのクラシックセンチュリー並みです。しかし重さは33gと、クラシックセンチュリーの2倍近いです。
軸が太いせいか、私は純正芯では疲れてダメでした。ジェットストリームの0.5mmでも難しいようで、今のところは0.7mmがベストです。ジェットストリーム以外だと、S.T.デュポンのイージーフロー(デフィ芯)で快適に書くことができます。
プラスチック芯
プラスチック芯の場合は、大型付箋紙などを替芯の回りに巻き付けることによって、替芯アダプターなしで装着することが出来ます。お手軽で便利です。
ただし外側からは見えないものの、使い手としてのオシャレ感は今一つになります。またペン先のプラスチックが邪魔で、削る必要が生じることもあります。これもオシャレ感を減らしてくれます。
しかし湖を優雅に泳ぐ白鳥を水面下から見ると、実は白鳥たちは必至で足を動かしています。そういう白鳥のような振る舞いを理解できる者ならば、これはコスパも良くてオススメな利用方法となります。
私の場合、このプラスチック芯を利用することが多いです。クロスのクラシックセンチュリーに装着することも可能です。(本体を改造すれば)
どうしてプラスチック芯を紹介するかというと、グリーンのインクはプラスチック替芯でしか販売されていないからです。(残念ながら、4c芯ではブラック、ブルー、レッドの三色しか商品化されていません)
またジェットストリームには0.28mm芯が存在しますけど、2020年1月10日時点ではプラスチック芯しか販売されていません。
ちなみに上記のジェットストリーム(0.28mm)エッジはモンブランのマイスターシュテュックやカルティエのロードスターでテストを実施した後、現在はモンブランのスターウォーカーに装着されています。
先端のプラスチック部分をペン先から本体側に少しずつ削ることがポイントです。もちろんこのジェットストリーム(0.28mm)エッジは、クロスのアベンチュラに装着することも可能です。
4c芯
一部のユーザーには有名な替芯アダプターです。モンブランだけでなく、カランダッシュ用の替芯アダプターも存在します。
モンブランもカランダッシュも優れた替芯を提供しており、さすが高級筆記具の王様と呼びたくなるような対応です。私はYシャツの胸ポケットに常備している1本には、モンブランの純正芯を装着しています。
ただしプラスチック芯や4c芯はパーカー互換芯よりもペン先が細いため、セロテープの切片やマニキュアを塗って、ペン先がカタカタ音を立てるのを
しかし仕事で緑や赤も必要であり、そういう時には替芯アダプターを使うことがあります。(それよりは正直言って、プラスチック芯の方が利用率が高いです)
なお4c芯に興味のある方には、下記記事を紹介しておきます。
まとめ
以上のように、三菱鉛筆のジェットストリームは、殆ど全てのボールペン軸で利用できます。
ただしジェットストリームを使いたいと言うことは、大量に書く必要があるからのような気がします。そういう時には少しでも書き心地が良い方が望ましいかと推察します。
そういうことで、今回は頑張ってパーカー芯(G2芯)でオススメできる高級ボールペンを選んでみました。
ちなみにオススメできませんが、この芯の先端を削ってモンブランに装着するという荒技も存在します。また偶然かもしれませんが、カランダッシュのエクリドールにはパーカ芯がそのまま装着できました。
それでは今回は、この辺で。
ではまた。
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記事作成:四葉静