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【ネタバレあり】不登校と魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画(2)

ヒツジ執事です。木苺お嬢様がお気に入りの新刊が出たので、紹介させて頂くことにします。

ちなみにこの本、普通の小学生のお子さんが読んでも、全く面白くないという感想になるかもしれません。

作者自身がネタラバシ

まず本書ですが、「ネタバレあり」というよりは、作者自身が内容の大半をインターネット上で公開しています。

第11章のうちで、第10章までが公開されています。したがってネタバレも何もありません。最後の1章を読みたい人だけが、本を購入することになります。

ちなみに本書は(2)なので、(1)が存在していますが、同様にインターネット上で公開されています。

佐島勤オフィシャルサイト:司波達也暗殺計画

本書のあらすじ

さてそういう訳で公開情報を読めば大体分かるのですが、それを読むのが面倒という方のために概要紹介しておきます。

電撃文庫オフィシャルWebサイトより

有希の許を訪れる暗殺者見習いの少女。落ちこぼれ魔法師!? それとも?
西暦二〇九六年五月、榛有希が司波達也に敗北をしてから約二年の月日が流れた頃。彼女は黒羽文弥直轄の暗殺者として日々依頼される仕事をこなしていた。
そんな中、有希の許に四葉家より“暗殺者見習いの少女”桜崎奈穂が派遣されてくる。自らのコンプレックスを鏡に映したような奈穂の幼気な容貌に辟易しつつも、二人の奇妙な共同生活が始まった。
そして、新たなるターゲットが決まる。
それは『人間主義』を掲げ、司波達也暗殺を目論むとある教団。奈穂は自らの能力を示すため独断専行を試みるが――。
落ちこぼれ? それとも? 独自なフラッシュ・キャストを扱う奈穂の力とは!?

はい、これはスピンオフ小説です。本編の方を読んでいないと、何がなんだか分からないかもしれません。

司波達也という超強力だけれども、成績は良くない魔法師の高校生が存在します。彼は四葉一族の生まれで、その一族の中には黒羽家が存在します。主人公の榛有希は、黒羽家の次期当主で高校生の黒羽文弥に仕えています。

本編は、司波達也を中心とした物語です。そしてこのシリーズは、暗殺者である榛有希という少女の日常生活を描いたスピンオフ物語です。

こうやってあらすじを紹介するだけで、憂鬱な気分になってしまいそうな内容です。少なくとも、読み終わって爽快感を味わえるような小説ではありません。ギャグも殆どありません。

本編を読んでいない限り、このスピンオフ小説を読む気にはなれないかもしれません。

なぜに不登校

で、なぜに「不登校」というキーワードが記事タイトルに入っているかというと、中二病向けのような内容であるためです。

主人公の榛有希は、好きで暗殺者をやっている訳ではありません。両親が亡くなっていて自活する必要があるため、職業として暗殺者をやっています。

他に適性があれば転職しても良いのでしょうけど、体術が優れた人が生かせる職業としたら、まあ暗殺といった方面になってしまうのかもしれません。

この小説の世界観で見ると、「不登校でも生きていけるなら、それで良いんじゃないか」といったあたりに落ち着きそうです。

こうやって改めて考えてみると、ヒツジ執事自身が不登校に対して興味がないというか、かなり厳しかったりするようです。

なにせ小学生の頃は、学校に行くのが苦痛で、とぼとぼとランドセルを背負って家を出ていましたから。気が小さくて泣き虫で、体もクラスで小さい方から3番目あたりの体格でしたし、イジメも経験しました。

それでも学校に行っていたのだから、学校に行かない子に対して同情したり共感したりする気には全くなれないというのが、正直なところなのかもしれません。

自分が苦しかったから、同じ境遇の他人の気持ちが分かるというスタンスではないです。「苦しくても、胃が痛むような思いをしても行ったのに、なんで君たちは行かなくて済むのだ?」と、どうも逆に嫉妬していますね。我ながら、情けないですけど。

(こういうロクでもない性格だから、イジめたくなる側の気持ちは分かるような気がしたりして)

それにしても生きていくって、それだけで大変だよなあと思う部分もあります。このブログを書いているのも、正直言って生活費のためという目的もあります。不登校というか、不出社になっている暇はありません。

で、この小説の主人公である榛有希は同様な考え方をしていて、同様な生活を送っています。

「生きているだけで、とりあえずは満足しよう」という妥協スタンスで話が進んでいくので、「なんで作者はこんな小説を描いているのだ?」という人もいるようです。

主人公を取り巻く主要キャラクターも、皆さん妥協しながら生きています。ある意味で、大人の現実世界を忠実に再現していると言えるかもしれません。

まとめ

それにしても、ともかく主人公がグチをいったりボヤいたりすることの多い小説です。昔観た映画の、ダイハードみたいなものでしょうか。あちらは次から次へと事件やトラブルが起こって、主人公は災難に巻き込まれていくという話でした。

もしかしたら作者も、そのような小説を書きたいと考えたのかもしれません。しかし主人公は暗殺者とあるように、ダイハードのような正義とは無縁です。

このような小説はスピンオフという形でなければ、小説として世に出ることは無かったかもしれませんね。頭で考えると分かりにくいですが、普遍的で深いテーマを扱っているかと思います。

本編がまだの方は、そちらの方を読むと楽しめるかと思います。内容も深いです。木苺お嬢様が夢中になったのも、よく分かるような気がします。

本編の方は手に汗を握るバトルもあり、冒頭画像のような秘術を使った駆け引きなどもあります。木苺お嬢様が描いた女の子が挿絵とそっくりでしたが、もしかしたら無意識に影響を受けていたのかもしれません。

そういえば木苺お嬢様は、おそらく不登校になることは無いかと思います。

そんなことになったら、あれこれと不幸な事態が降って来るのは、目に見えて明らかですから。

何だか話が脱線してしまいましたが、「司波達也暗殺計画(2)」とは、こんな感じの小説です。

ラノベに分類される本ですし、作者の力量のおかげで大変に読みやすいです。興味のある方は、まずはインターネットで公開されている方を読んでみてはいかがでしょうか。

生きているなら、それで良し