時間の流れは無常です。
このところ緊急事態で、キーボードを打つだけの日々が続いていました。
しかしようやく筆記具を使う時間を得て、「やっぱり私は三菱鉛筆のジェットストリーム0.28mmで、モンブランのスターウォーカーを使う人なんだな」ということが分かって来ました。やっぱり使っていて、大変に快適です!
(あくまでペン先を45度で維持したい万年筆屋さんたちには、どうやら不評のようですけど)
今回はジェルインク/ゲルインクの水性ボールペンなどを経て、油性芯である三菱ジェットストリーム0.28mmに戻って来た自分を振り返ってみたいと思います。
ジェットストリーム0.28mmの利点
三菱鉛筆ジェットストリーム・エッジ0.28mmとは、「シャープペンシル感覚で小さな文字を書けること」です。
まず0.28mmだと、油性ボールペンに特有の「滑らかに書く」という感触がありません。私の場合はボール径が0.7mm –> 0.5mm –> 0.38mm と細くなるにつれて、逆に筆記量が増えていました。指先や腕にかかる負担が減るおかげで、書きやすくなってっていたからです。
もちろん “メモの魔力” の前田裕二氏のように、モレスキンのラージサイズ(13cm x 21cm)ノートに書き込むのであれば、0.5mmで十分に満足できます。A5相当の大きさなので、小さな文字は必要ないです。紙面に適当な摩擦があるので「ぬめぬめ感」も感じられません。
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しかし… 例えばラージサイズより一回り小さいポケットサイズだと、そうはいきません。A6相当サイズなので、紙面サイズが小さいです。小さい文字の方が、何かと便利です。
私の場合はバイブルサイズのシステム手帳に落ち着いており、やはり小さな文字を書けたほうが都合良いです。そうするとボール径の細いボールペンの方が好ましいということになります。
(ちなみに上記の画像は、A6サイズの「ほぼ日手帳」です)
おまけに三菱鉛筆ジェットストリーム0.28mmは、ボール径が0.28mmなのに「文字がかすれる」ということは皆無です。使い始めた数時間は戸惑いましたけれども、恐ろしい勢いでインクフローが安定しました。
某サイトでは「文字がかすれて使い物にならない」という評価記事が発行されていましたが、あらためて検証してみるべきです。万年筆屋がペン先を45度くらいに寝かせて速記風に試したら、開封後数時間のジェットストリーム・エッジ0.28mmは真価を発揮出来ていない状態です。
プロの野球選手やサッカー選手はギリギリの限界まで精神や肉体を酷使するので、慎重なウォームアップが大切です。ジェットストリーム・エッジ0.28mmにしても、開封直後の数時間はウォームアップが必要です。
ただでさえボール径0.28mmと、限界に近い挑戦をしています。製作直後はペン先にインクが流れていない状態ですし、その時間は辛抱が必要です。
ちなみに今まで書いたのは、初期ロットの話です。2020年6月1日に近所の書店で購入したジェットストリーム・エッジ0.28mm(冒頭画像)の場合は、最初から相当寝かせた角度で書くことが出来ました。
まだ1本だけなので結論は出せませんけれども、三菱鉛筆さんも改善を重ねているように見えます。(ちなみに初期ロットの8本は、全て問題なく利用出来ています)
そしてこれらの初期ロットは、ヨドバシカメラやメルカリなどの複数ルートで調達したものであり、青(ブルー)や赤(レッド)も混じっています。それらが全て快調に継続利用できているということです。
某サイトではジェットストリーム・エッジ0.28mmは「文字がかすれる」と、2019年10月の記事で評価されていました。しかしそういった記事は、現役の万年筆愛好家が寄稿しています。
私も基本的には魔年筆歴が長いのでペン先を寝かせるクセがありますけれども、さすがに45度でボールペンを書くことはありません。ボール径0.28mmという大きさだと、ちょっと無理があると言えそうです。
逆にいうと、そんな角度にも対応しているモンブランのジャイアントリフィル油性替芯や、カランダッシュのゴリアット油性替芯は素晴らしいと評価できるでしょう。
ともかく、今では普通に書店の筆記具コーナーにも飾られるようになっています。これは十分に実用的で販売見込みがあるからこそ、書店が扱うようになったと言えるでしょう。
2019年10月に「使いものにならない」と評価なさった方々は、あらためて実証結果を再レポートした方が良いかと思います。
(既に改訂されているかもしれませんね。筋金入りの万年筆愛好家であるほどペン先を寝かせるクセが出るので、止むを得ない評価結果だと同情します)
スターウォーカーの利点
さてそんな訳で、私がボールペン軸に装着した8本のジェットストリーム・エッジ0.28mmは、何の問題もなく快適に利用できています。
私だけでなく、我が家のお嬢様も同じです。
なお私は万年筆使いの血を引いているのに、ジェットストリーム・エッジ0.28mmをスンナリと使いこなせました。これはモンブランのスターウォーカーのおかげだと言えそうです。
スターウォーカーは人間工学に基づいて開発されたという謳い文句で、最近流行の太軸のボールペンです。手荷物と、自然とペン先の角度が5度くらいアップします。
だから万年筆使いが油性ボールペンのスターウォーカーを持つと、自然とインクの出やすい角度に近づきます。ジェットストリーム・エッジ0.28mmのようにボール径が小さい場合、これは大きな利点です。
そしてしばらく筆記具を握らない生活をしていると、勘が鈍ります。そういう時にイキナリ筆記具を使う場合には、やはり太軸の方がペン先をコントロールしやすいです。
(だから筆記具を使うことが減った現在は、事務担当者を除くと、太軸の筆記具も好まれる訳です)
おまけに私の場合、モンブラン100周年記念で発売されたスターウォーカーであれば、無加工でジェットストリームを利用できます。
いつもは残念ながら、文房具カッターでプラスチック部分を少しだけ削る必要があります。ペン先の金属部分側からプラスチック後端の方向へ少しずつ削っていく訳ですが、作業時には「哀愁感」が漂います。
スターウォーカーは上記の画像のように頑張って削り込む必要がないので、その点は大変に嬉しいです。太軸のために内部空間に余裕があるようで、その点は大変に都合良いです。
ちなみにピンク色の筒のようなものは、大型付箋紙を巻き付けたものです。こうやってモンブランの純正芯であるジャイアントリフィルに似た形状にして、即席の互換芯として利用しています。
まとめ
そんな訳で非常事態でブランクが生じたものの、三菱ジェットストリーム・エッジ0.28mmとスターウォーカーのおかげで、無事にルーチン業務を再開出来ているという話でした。
それにしてもシステム手帳使いとしては、ペン先をコントロールしやすいし、小さな文字を楽々とかけるコンビには脱帽ものです。最近は周囲でもスターウォーカー使いが増えていますけれども、これ以上は人気が出ないと嬉しいです。
ともかく初期ロットでさえ現在でも快調に筆記できているし、0.28mmのおかげでインク消費量が少ないです。おかげで今のところ、まだ使い切った替芯が出ていないという超コスパです。
最初は果たしてどこまで一般ユーザーに受け入れられるか気掛かりでしたけれども、やはり小さい文字が自由に書きたいという潜在ニーズは大きかったようです。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:四葉静